2023.4.17
新年度のスタートに伴い、講演や研修をご企画される主催者様向けに、講演実施のノウハウをお伝えするこちらの企画。
第二弾は、「講演実施マニュアル」についてご説明します。
一口に「講演会をやりたい」と言っても、誰に向けた講演会なのか?どういうお話が聞きたいのか?講師は誰を呼びたいのか?会場はどうするのか?など、決めなければならないことは多岐に渡ります。
ここでは、講演の企画から講師の選定・依頼、講師決定後の準備、講演当日の対応について分かりやすくご説明いたします。
STEP① 講演の目的を明確にしましょう!
従業員向け、一般市民向けなど、講演を聞く人というのは様々な場合が考えられます。そして、その人たちに向けて何のために講演をするのか、という目的を明確にすることから講演の企画は始まります。まずはここを考えてみましょう。
目的によっては、「講演」ではなく「研修」の方がふさわしい場合もあり、そうなると登壇を依頼する講師も研修対応が可能な講師の方がいいなど、方向性が見えてくると思います。
STEP② 実施日、講演会場を決めましょう!
開催の目的が明確になったら、実施日と会場を決めましょう。開催の目的が式典や褒章という場合は、通常は市街地のホテルを使うことが多いですし、業務スキルの向上などの社員研修であればオフィスの会議室などでも大丈夫です。
また一般市民向けの講演会などは、文化会館や公民館などの公共施設がいいでしょう。
STEP③ 目的に合った最適な講師を探しましょう!
実施日と会場が決まったら、次は誰に登壇いただくのか、最適な講師を探しましょう。
ここでは様々なケースから講師を探す方法についてお伝えいたします。
◆講演を聴講する人ありきの場合
政治、経済、ビジネス、環境、人生、スポーツ・・・講演テーマは本当に様々なテーマがあります。
ここでは、誰に向けた講演会なのかということが重要になってきます。
例えば中高生を対象にした講演に、ビジネスマンが聞くような内容の講演をしてもちゃんと聞いて理解してもらえる可能性は低いと思いますし、高齢者の方々を集めた講演では、若い登壇者では知名度が低い可能性もあり、せっかく集まっていただいても喜んでいただくことができませんよね。
講演会は聴講者層を考慮して最適な講師を探す必要があります。
◆ご予算ありきの場合
“講演料100万円までなら用意できそうだけど・・・”という場合は、希望の講演テーマでお話いただける、かつ100万円までで登壇いただける講師から登壇者をお選びいただくことになります。
講師の講演料は人によって様々で、やはり毎日のようにテレビで見るような知名度の高い方や講演の引き合いが多い方というのは、講演料も高くなってきます。そうなると、100万円では収まらない方も多いので、どうしても知名度の高い方をお呼びしたい!という場合は講演料の増額をご検討いただく必要があります。
講演会に登壇いただく講師を決めるには、このように様々なケースから検討を始めることになります。
皆さまの場合はどれかを当てはめて、講師を選定しましょう。
ある程度希望講師を絞り込めたら、次は実際に登壇してほしい講師へのご依頼となります。
ここで注意しなければならないのは、“講師へのスケジュール確認はご依頼が前提であること”です。
例えば希望の候補講師が3名いたとする場合、すべての講師にスケジュールを確認しても、最終的にご依頼するのは1名で、残りの2名にはお断りを入れなくてはなりません。これは講師にとっては失礼に当たりますので、複数の講師へのスケジュール確認は控え、ご依頼希望の優先順位をつけるようにしましょう。
優先順位の高い方から確認し、お引き受けいただける時点でその講師へご依頼するのが好ましいです。
講師によりますが、だいたいの講師がスケジュールを開示してくれるのは、半年前からになります。1か月前などの直前のスケジュール確認は、講師のスケジュールも埋まっている可能性が高いので、講演の準備は余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
◆講師への依頼状の作成について
実際にご登壇いただきたい講師へ依頼するに当たり、講師には企画の目的や具体的な日時と場所などをお伝えし、ご検討いただく必要があります。
講師も多忙な中、本業の合間を縫って毎日多くの仕事の依頼を受けています。よって、熱意を伝えようとしてその思いを長々と綴るのではなく、概要を簡潔に記載してお伺いすることが大切です。
ここでは参考例としてメールの文面をご紹介します。
【件名:鎌倉花子様 講演会ご登壇についてご相談(株式会社SEA-CAST)】
鎌倉花子様
お世話になります。
突然のご連絡で失礼いたします。株式会社SEA-CASTの稲村と申します。
この度、鎌倉様に講演会のご登壇についてご相談したく、ご連絡申し上げます。
鎌倉様にお願いしたい講演会の概要を下記に記載いたします。
■主催者:株式会社稲村企画
■企画名:優秀社員褒章式典
■日 程:2023年10月4日(火曜日)
■時 間:13:30~15:00(90分)
■会 場:鎌倉ヒルズ
■聴講者:優秀社員 約50名
■テーマ:「苦難を乗り越えてきた人生」について
■目 的:褒章式典での記念講演として
■講演料:100万円 (交通費、消費税別)
以上が講演会の概要となります。
こちらの講演会にて是非鎌倉様にご登壇いただきたく、講演をお引き受けいただくことは可能でしょうか。
ご不明な点がございましたらお申し付け下さい。
お忙しいところ恐れ入りますが、是非ご検討いただけますと幸いです。
以上、何卒よろしくお願い申し上げます。
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STEP④ 当日の進行を決めましょう!
講演日、会場、講師が決まったら、次は当日の進行を決めましょう。
当日は会をどう進行させる?司会は誰がやる?講演の前後で挨拶する人は?などを決め、当日講師には会のどのタイミングで登壇し、講演いただくのかを明確にしましょう。
もし講演ではなく、トークショー形式での開催の場合は、講師の相手役(MC)が必要になります。講師が話すジャンルに詳しい人の方が、講師から様々なお話を引き出せるので、こういう場合はプロの方にお願いした方がスムーズに進行します。
元テレビ局のアナウンサーやフリーアナウンサーなど、講師派遣FILEでは司会やMCの登録も多数ございますので、是非ご相談ください。
また、トークショー形式の場合は、トークの台本の作成も必要になってきます。こちらは主催者様にてご用意いただくことが必須ですが、弊社にご依頼される場合は追加で費用が発生しますので、ご注意ください。
◆告知物作成について
講演の開催をお知らせする告知物を制作する場合は、講師や事務所指定のプロフィール文や宣材写真を使用しましょう。
また、告知物は事前に事務所の了承を得ておく必要がありますので、原稿ができたらデータで確認いただきましょう。
講師や事務所によっては確認に数日を要する場合もあるので、ここは余裕を持ったスケジュールを組んで作業しましょう。
STEP⑤ 当日必要なものを準備しましょう!
当日は講師が登壇する壇上と控室に機材や備品をご準備いただく必要があります。
講師の講演方法は、お話のみの場合、スクリーンに投影する資料を使用してお話される場合、立って話す場合、座って話す場合など様々です。
基本セットとして覚えておいていただきたいのが
壇上:演台、ワイヤレスマイク、スクリーン、PC、プロジェクター、おしぼり、お水、卓上時計
控室:姿見、ハンガーラック、おしぼり、お飲み物、お茶請け、※時間帯によってはお食事
です。
投影資料がある講師は、通常講演の1週間程度前になったら講演データが送られてきますので、当日会場にご用意いただくPCに取り込んでいただき、事前の動作確認をお願いします。※講演終了後は必ずデータを破棄してください。
講師によっては、当日ご本人のPCを持参する方もいらっしゃいますので、その場合は接続ケーブルなどをご用意いただく必要があります。この場合、講演データの事前送付はありません。
◆交通チケット・宿泊手配について
講師は、在来線は使用されない方が多いです。よって、新幹線や飛行機とタクシーで移動することがほとんどですので、交通費はその行程で試算した方がいいでしょう。
チケットの手配は、弊社もしくは講師事務所が行いますが、会場から最寄り駅や空港までのタクシーについてはご手配をお願いすることが多いので、事前に講師の意向を確認するようにしましょう。
また、宿泊を伴う場合は、会場にアクセスのいいホテルなどのご手配をお願いするケースもあります。
◆懇親会のお誘いや贈呈品について
式典後の懇親会への参加や花束などの贈呈については、事前に講師にお伺いを立てた方がいいでしょう。
STEP⑥ いざ、講演本番当日です!
企画から準備を進めてきた講演の本番当日は、講師に気持ちよく登壇いただき、また登壇したいと思っていただける対応を心がけましょう。
通常講師は、講演の60~30分前に会場に入られるケースがほとんどです。会場でのお出迎え、控室へのご案内、主催来賓の方とのご挨拶などをアテンドするスタッフを配置しましょう。
控室で登壇方法などの事前の打ち合わせをされる場合は、手短に済むようあらかじめお伝えしたいことをまとめておきましょう。
講師も講演に向け意識を集中されたいので、むやみに控室で同席することは控えましょう。
◆関係者との記念撮影、サインについて
講師によっては記念撮影やサインにご対応いただける方もいらっしゃいます。事前に講師へ希望をお伝えし、ご了承いただいたら、希望枚数の色紙とマジックを控室に用意しましょう。宛名や日付の記載もご希望される場合は、書いてほしい宛名を記載した用紙もご用意ください。
◆お帰りのタクシー手配について
講演が終わったら、すぐに会場を出発される講師がほとんどです。終了予定時間にはタクシーが待機しているようにし、降壇後は講師が速やかに会場を出発できるようにしましょう。
◆講演終了後講師への御礼状の作成について
講師へ御礼状を渡す場合は、自分や聴講者の感想を含めると喜ばれますよ。参考例としてメールの文面をご紹介します。
【件名:鎌倉花子様 講演会の御礼(株式会社SEA-CAST)】
鎌倉花子様
いつもお世話になっております。
株式会社SEA-CASTの稲村です。
●月●日はご多忙にもかかわらず、弊社の講演会にご登壇いただきまして、
誠にありがとうございました。
おかげ様で、予定人数を上回る多くの方々にご参加いただくことができました。
特に、鎌倉様の貴重な経験談を交えた○○のお話が印象的で、 聴講者の皆さまからも
大変好評なご感想を多数頂戴しており、私どもといたしましても、講演会開催の目的を達成することができました。
これもひとえに、鎌倉様のお力添えの賜物と、スタッフ一同心より深く感謝いたしております。
今後とも何卒ご指導を賜りますようお願い申し上げます。
末筆ながら、鎌倉様のますますのご活躍をお祈り申し上げ、略儀ながら書面をもちましてご講演の御礼を申し上げます。
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事後掲載物がある場合
当日の講演の模様を会報誌や広報誌などに掲載する場合は、告知物と同様に事前に事務所に確認してもらい、了承を得る必要があります。
こちらも、原稿ができましたら事務所に送り、事前に確認いただくようにしましょう。
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以上が講演の企画から開催までの実施マニュアルになります。講演会を企画する際は、こちらを参考にしてみてください。
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