【ブログ】奇跡のバックホーム 横田慎太郎さん

2023.7.24

2023年7月18日、元阪神タイガースの横田慎太郎さんが天国に召されました。
闘病生活を支えられたご家族の皆さまにお悔やみ申し上げます。28歳、あまりに早い旅立ちです・・・

横田慎太郎さんのことはあまり知らなかったのですが、ネットニュースやテレビのニュースの追悼のコーナーを拝見し、そして川藤幸三さんのYouTubeチャンネルに出演されている際の真摯に受け答えされているお姿を拝見し、とても礼儀正しく心のきれいな方だなという印象を持ちました。
往年のプロ野球選手や現役でプレーしている同僚の方など、本当にたくさんの方がコメントを寄せられているのを見ると、どれほど愛されて、素晴らしい方だったのかが分かります。

2013年のドラフト会議で、阪神タイガースから2位指名を受けプロ野球選手になった横田さん。しかし2017年に脳腫瘍という病魔が横田さんを襲いました。闘病生活を経て2018年に復帰するも、ボールが二重に見えるなどの後遺症に苦しみ、2019年に現役を引退。
引退試合で横田さんが放った本塁へのノーバウンド送球は、二塁走者をホームで捕殺するファインプレーとなり、「奇跡のバックホーム」と呼ばれています。

引退された後は、講演活動をされていたという横田さん。講演の回数は実に70回にものぼったと言います。脊髄への転移や脳腫瘍の再発など、どこまでも襲いかかってくる病魔と闘いながら、2022年の12月まで講演を行い、多くの人々に困難に立ち向かっていく勇気と希望を与えてくださいました。

私は残念ながら、横田さんの講演を拝聴する機会がありませんでしたが、講演で横田さんの生の声を聴けた皆さまが本当にうらやましく思います。

話は少しそれますが、今年の4月にお亡くなりになられた畑正憲さん。「ムツゴロウさん」の愛称で親しまれ、80年代に放送されたテレビ番組「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」を見た方も多いのではないでしょうか。
3年ぐらい前になりますか、静岡県のある高校に講演で行っていただいたことがありました。
「畑は生徒さんと話すことが好きだから」とマネージャーさんに言われ、質疑応答の時間を多めに取ってご講演いただきました。残念ながら私はアテンドに伺うことができなかったのですが、後日高校の先生から「生徒たちがとても喜んでいました」という御礼のご連絡を頂戴し、畑さんへの感謝の思いとともに、私自身もとても幸せな気持ちになったことを憶えています。

今年の4月、畑さんの訃報を知りとても残念に思うのと同時に、「あの時の生徒さんたちは、大学生や社会人になっているのかな?畑さんの講演が彼らの一生の宝物になるといいな」と思いました。
そして今回の横田さんの訃報を聞いた時も、やはり同じように「横田さんの講演を聞かれた皆さまにとっても、横田さんの講演が一生の宝物になるといいな」と思いました。私は聴きたいと思っても、もう横田さんの生の声は聴けません。
講演を聴かれた皆さまは、本当に貴重な経験をされたと思います。どうか横田さんの言葉を忘れず、生涯の宝物として大切にされてくださいね。

そして横田慎太郎さん。
お母さまがインタビューで「これからは天国で好きなように野球をしてほしいと思って、ユニホーム姿でいかせたいと思います」と仰っていたお姿に涙がこぼれました。私も横田さんの懸命に生きられたお姿から、自分の在り方について考えさせられた1人でもあります。本当にありがとうございました。どうか天国で好きな野球を存分に楽しんでくださいね。