【How to】講演実施ノウハウ3(オンライン講演実施マニュアル)

2023.7.20

講演や研修をご企画される主催者様向けに、講演実施のノウハウをお伝えするこちらの企画。
第三弾は、「オンライン講演実施マニュアル」についてご説明します。

新型コロナウイルス感染症の拡大により、企業のミーティングや外部との打ち合わせをWEB上で行うことも当たり前の世の中になりました。それに伴い、講演や研修などもオンラインで開催する団体が増えましたね。
対面式の講演も徐々に戻りつつありますが、コロナ禍でのオンライン配信を経験し、対面式+オンライン配信のハイブリッド形式で実施する主催者様も多く見られます。

今回は、オンライン講演はどのように実施すればいいのか、方法とポイントについてご説明します。

オンライン講演とは?

オンライン講演

インターネット上で行う講演やセミナーのことをオンライン講演と呼びます。
インターネット環境とPCやモバイル(スマホ、タブレット)を用意できれば、どこからでも参加が可能です。

配信ツールについて

オンライン講演は配信ツールを使用して行われます。ZoomやTeamsなど様々な配信ツールがあります。

◆Zoom

Zoomはオンラインでの会議やセミナーを開催するためのクラウド型ビデオチャットツールです。国内トップシェアのWeb会議システムであるZoomは、簡単な操作性などが高く評価され、多くのユーザーに利用されています。
Zoomは最大100名の講演者がインタラクティブに主催でき、プランのアップグレードや拡張機能を購入することで、視聴者も100名~最大10,000名まで参加が可能である点が特徴です。
そしてZoomには「Zoomミーティング」と「Zoomビデオウェビナー」の2つの形態があります。

◇Zoomミーティング
Zoomミーティングは、会議や打ち合わせなど双方向でのやり取りを行うためのサービスです。ミーティングの全参加者がビデオとオーディオをオンにすれば、顔を見ながらやり取りすることができます。
また、ブレークアウトルーム機能でグループを分けることができるため、ワークショップ形式のオンライン講演も可能です。

◇Zoomビデオウェビナー
ウェビナーは、ホスト(主催者)とパネリスト(講師)、視聴者という関係性で構成され、ホストを中心に進行します。パネリスト以外の視聴者はカメラやマイクの操作ができず、顔や名前が表示されることもありません。
また、主催者であるホストが参加者を自由に「パネリスト」や「視聴者」に変更できるという特徴があります。
その他に質疑応答や、視聴者の内容理解度を確認する際に便利な「手を挙げる」という機能もあり、講演側と視聴者側の相互コミュニケーションが図りやすいメリットがあります。

◆Teams(Microsoft Teams)

Teams(Microsoft Teams)とは、マイクロソフト社が提供するコミュニケーションツールであり、ビジネスや官公庁、教育機関などで利用されています。
Teamsはマイクロソフト社のWordやExcel、PowerpointといったOfficeアプリと連携が可能である点が特徴です。オンラインビデオ会議では最大300人、オンラインイベントでは最大10,000人まで参加が可能です。
Teamsにはチャット・通話のほか、ビデオ会議、ファイル共有、Officeアプリとの連携といった機能が備わっています。

◆Webex

Webex(Cisco Webex)は、パソコンやスマートフォンから簡単に、オンラインで会議や講演、セミナーが開催できる、オンラインコミュニケーションツールです。
Webexは最大で40,000人まで会議に参加でき、OutlookやOffice 365、Googleといったカレンダーに自動的にスケジュールが追加される機能がついています。またSalesforceやMicrosoft Teams、Slack といった学習管理システムからも会議を開始できるという特徴があります。

◆Google Meet

Google MeetはGoogleが提供している、ビデオ会議アプリケーション、コミュニケーションツールです。以前はHangouts Meetと呼ばれていましたが、2020年5月に名称をGoogle Meetに変更し、一般向けに無料で開放されました。
チャットやグループチャット、ビデオ通話、音声通話などが利用でき、Googleアカウントさえ持っていれば無料で簡単に使用できます。無料で最大100名まで参加可能であり、画面共有も行えることから、オンライン講演や授業などで幅広く使用されています。

オンライン講演の配信方法

オンライン講演には、リアルタイムのライブ配信と録画配信の2つの配信方式があります。

◆ライブ配信

ライブ配信は、リアルタイムで行う配信方法です。リアルタイムなので、配信者側と視聴者側で相互にやり取りすることが可能です。
講師も視聴者の反応を見ながら進行を変えていくことができるので、視聴者側も参加意識が高まりやすいといえるでしょう。

◆録画配信

録画配信は、あらかじめ事前に録画された講演を、後日視聴者側が視聴する方法です。視聴者側は配信側が設定した条件の中で、自由な時間やタイミングで試聴ができます。
録画配信はリアルタイム配信のように、配信側と視聴者側でのリアルタイムでの相互間やり取りはできないものの、繰り返し試聴が可能なため、聞き逃した場合や、時間をかけて理解したい場合などにも納得するまで学ぶことができるのが特徴です。

必要な機材

オンライン講演を行うにあたり、講師側で必要な機材は以下の4点です。

・PC
・ウェブカメラもしくはビデオカメラ
・マイク
・インターネット環境

ただし、講師によってはまだまだ操作に不慣れだったり講師側の通信環境に不安を持っている方もいますので、その場合は配信スタジオや会議室などを用意しましょう。
視聴者側はPCとインターネット環境があれば参加が可能です。

オンライン講演のメリット

オンライン講演は遠隔で行うことから、飛沫感染等が防げ、新型コロナウイルス感染症対策が行えるメリットがあります。その他のメリットは以下の内容になります。

◆会場費や交通費などのコストが削減できる

オンライン講演は、聴講者が集まる会場の手配が不要のほか、参加者を集合させるために必要であった交通費、宿泊費の負担や手配の手間も不要です。
また、集客もインターネットでできるので、当日の運営人員は最小限で抑えることができ、大幅にコストが削減できるメリットがあります。
さらに、海外からの配信、または海外での受講も可能ですので、情報格差や地域差も生じません。

◆講演動画の共有がしやすい

録画を利用することで、リアルタイムでの受講が難しかった方のフォローや、繰り返し学習や復習に繋がり、受講者の理解度も深まります。

◆相互間コミュニケーションが行いやすい

従来の大多数が集まる会場集合型では、質疑応答などなかなか挙手がしづらかった人にとっては、ウェビナーのチャット等のツールを使用することで、積極的に参加することができます。

オンライン講演のデメリット

万能に見えるオンライン講演でもデメリットはあります。

◆配信トラブルが生じるリスクがある

オンライン講演では、通信環境のトラブルによって音声や映像が乱れることがまれに発生し、視聴者の理解力や集中力低下に繋がります。このような不快な体験によってオンライン講演の満足度が落ちる可能性が高いため、配信トラブルが生じるリスクはできるだけ払拭するようにしましょう。

◆視聴者管理が難しい

オンライン講演では視聴者が気軽に参加ができるメリットがある反面、アクセスだけして聴講していない視聴者などの管理が難しいデメリットがあります。

注意すべきポイント

オンライン講演には配信トラブルや視聴者管理の難しさなどがあり、通常講演とは異なる注意すべきポイントがいくつかあります。
配信側は視聴者を飽きさせなないために、話し方をはじめ資料や各種ツールの見え方、内容などの工夫が対面講演以上に求められます。
また、配信ツールや実施形態によっては、視聴者の顔が直接見られないため、用意されているツールを最大限に活用し、一方的な進行とならないよう心がけましょう。

◆配信側の状態・環境づくり

オンライン講演はインターネット環境があれば配信が可能という気軽さがあるとはいえ、配信側は背後でノイズや騒音が大きい、照明が暗くて表情がわかりにくいとなると、視聴者のストレスに繋がりますので、場所や自身の身だしなみなど、視聴者への配慮は必要です。
視聴者の注意が散漫にならないように、落ち着いた環境であるか、信頼感や安心感を与える身だしなみや話し方になっているかなど、徹底して気を配る必要があります。

◆開催の趣旨にあった配信ツールを選ぶ

オンライン講演の目的が決まったら、次は会合趣旨にあった配信ツールを決めましょう。上記配信ツール比較を参考にしながら、参加者がストレスなく視聴できる配信ツールを選びましょう。

◆配信テストを行う

オンライン講演開催前には、最低一回配信テストを行いましょう。
マイクやウェブカメラはノートパソコンに予め搭載されているものや安い機材でも実施できますが、画質や音質が悪いと視聴者のストレスとなるため、なるべく高品質の機材を準備し、テストをしておくと安心です。

◆ファイル形式に注意

オンライン講演でプレゼン資料を使用する際は、ファイルの形式に注意しましょう。配信ツールによって使用できるファイル形式がPDFやパワーポイント、keynoteなど異なりますので、事前チェックが必要です。

オンライン講演を企画する際は、メリットやデメリットも考慮した上で配信ツールや配信形態などを決めましょう。

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以上がオンライン講演の実施マニュアルになります。オンラインの講演会を企画する際は、是非こちらを参考にしてみてください。
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